-あえて「中古住宅という選択肢」-を紹介します
新築を考えるあなたへ。
あえて「中古住宅」という選択肢を紹介したいと思います。
今回は少し固い話です。
読むのが苦手な人は、ここだけ覚えておいてください。
↓↓
・空き家はどんどん増える
・中古+リフォームへのシフトを国や自治体は考えている
・2050年カーボンニュートラルという、ゆるくもきつい目標がある
・高性能化+物価上昇で新築は小型化している
・大きめの中古をリフォームして住むという選択肢もある
1.空き家が増え続ける時代に
総務省の調査によると、全国の住宅はすでに約6,500万戸。
一方、世帯数は約5,600万。家の数が人より多い時代です。
空き家は900万戸を超え、この30年で倍増しています。
空き家が増えるとなぜいけないのか?
放置された空き家が倒壊したり、火災を起こしたり、
お化け屋敷のようになって街並みを壊してしまう。
そんな事態を防ぐためにも、「使われる家」を
増やすことが求められているのです。
移住人気が高いとはいえ、伊那周辺も例外ではありません。
全国平均から見ても空き家率が高いのです。
財務省は「新築から中古へ」という方針転換を提言し
空き家や中古住宅を上手に活用していく方向に、
国全体が舵を切り始めようとしています。
2.建築基準法の改正が示す“次の時代”
国や自治体は、空き家増加に問題意識を持ちつつ、
耐震性能、断熱性能が劣悪な中古住宅が
残ることも問題視しています。
2025年4月の建築基準法改正では、
大規模なリフォームは、面倒な手続き(建築確認申請)が
必要となり、手間も費用もかかるようになりました。
これは、「見た目だけのリフォーム」に歯止めをかけ、
安全性・性能をきちんと確保するための仕組みを整えようと
しているのです。
今後、リフォームに対する助成制度が増えるのでは
ないでしょうか。
3.2050年カーボンニュートラルと住宅の関係
2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロにする——。
この“ゆるくもきつい目標”は、住宅にも直接関係します。
新築はもちろんのこと、すでにある既存住宅も
性能向上リフォームしていかないと、国としての目標
達成することができません。
前向きに考えれば、光熱費を減らせるような性能に
していくことは家計にもやさしい選択になるのです。
またカーボンニュートラルと地球温暖化は密接に
関係しています。暑さ(寒さ)に耐えられる住まいに
更新していかなくては、
健康と光熱費の負担で、住めない家になりかねません。
4.新築はどんどんコンパクトに
昨今の物価高や将来への不安から、
新築住宅は年々コンパクト化する傾向にあります。
たとえば、1996年に全国平均だった注文住宅の
延床面積は141㎡(約42.7坪)。
それが2023年には113.9㎡(約34.5坪)
まで縮小し、およそ2割の減少となっています。
出典:国土交通省『建築着工統計調査』、住宅金融支援機構『フラット35利用者調査』NLI研究所レポート(2024年)
家族構成の変化や、和室を設けない間取りが
増えたことなども影響していると言われますが、
コンパクト化の流れは明確です。
私たちはこうした状況のなかで、小屋裏の活用や
動線の工夫など、限られた空間を広く感じられる
設計を追求してきました。
それでも、広さやゆとりを最優先に
したい人もいます。
5.大きめの中古をリフォームして住むという選択肢
実はこの発想、私たちのスタッフのひとりが
きっかけでした。
自宅を検討する中で
「小さく建てるより、広い家を活かしたい」と考え、
提携している不動産会社に素性の良さそうな中古住宅を
紹介してもらったのです。
床下や天井裏まで確認したところ、構造も健全。
「これなら、しっかりリフォームすれば良い家になる」
と判断し、プロジェクトは動き出しました。
中古住宅でも、建物の素性がよく、改修に手をかける
価値がある家なら、新築に負けない暮らしが実現できます。
6.大事なのは立地と建物の状態
「空き家」とひとくちに言っても、
立地も築年数も構造もさまざまです。
新築に対して、中古物件+リフォームという
選択肢を成功させるには、
良い物件選びと、信頼できる施工業者
の両方が欠かせません。
物件選びを誤ってしまうと、リフォーム作業が増え、
費用がかかってしまいます。
また、リフォームする作業者によって
全く技術力も費用も変わってしまます。
逆に、この2つがそろえば、中古住宅は
“失敗しない家づくり”の近道になります。
以上、中古住宅+リフォームが新築の選択肢になる理由でした。
次回は、「中古住宅をどう選ぶか」を具体的にお伝えします。
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