30代で、収入も安定している。
勤務先も、将来のイメージも極端に不安ではない。
だからこそ、住宅ローンについては慎重になります。
借りすぎたくない。
でも、必要以上に怖がるのも違う気がする。
投資の話も耳に入る。
この迷いは、とても健全だと思います。
フラット35は「高いローン」ではなくなっています
「フラット35は金利が高い」という印象をお持ちの方も多いかもしれません。
たしかに、表面上の金利は約2.0%前後。10年前に比べると倍になりました。
しかし、35年固定という安心料を含んだ数字です。
ただし、ここで見落とされがちなのが各種の優遇制度です。
たとえば、子育てプラス、住宅性能による優遇(フラット35S など)
これらを適用すると、
年0.25%〜1.0%程度の金利引き下げが受けられるケースがあります。
条件が合えば、
1.5%台、場合によってはそれ以下になることも、珍しくありません。
消費者物価指数が2%を超えていることを考えると、負担にはならないとも言えます。
それでも「借りすぎない方がいい」理由
金利条件が良くなると、
「この条件なら、少し多めに借りても大丈夫では?」
そう感じる方もいると思います。
ただ、住まいは
建てた瞬間がゴールではありません。外壁や屋根のメンテナンス
設備の交換、家族構成や働き方の変化
これらは、ほぼ確実にやってきます。
金利が低くても、
返済額が家計を圧迫する状態では、
将来の選択肢が狭まってしまいます。
繰り上げ返済だけが、正解ではありません
最近では、
「繰り上げ返済を急ぐよりも、
長期・分散での運用に回す」という選択をする方もいます。
投資の期待利回りは、
長期で見れば住宅ローン金利を上回る可能性もあります。
ただし、これはあくまで期待値の話であり、
毎年必ずそうなるわけではありません。
だからこそ、
・住宅ローンが家計の重荷にならないこと
・投資がうまくいかなくても生活が崩れないこと
この2つが前提条件になります。
流動的な時代だからこそ、プランニングが大切
30代は、キャリアも、家族構成も、価値観も、まだ動きます。
だからこそ、銀行や住宅会社の話だけで決めない
FP(ファイナンシャルプランナー)に相談する
AIによる家計・ローンシミュレーションを併用する
といった、複数の視点での確認が重要になります。
一つの答えに依存しないことが、
結果的に一番安全な選択になることも多いのです。
できれば、ペアローンは組まないという考え方
共働きが当たり前になり、
ペアローンを選ぶ方も増えています。
ただし、働き方の変化、出産・育児・介護
万が一の事態
こうした場面で、リスクが一気に顕在化するのも事実です。
できれば、一人の収入でも回る水準でローンを組む。
その理由については、
また別の機会に詳しく書きたいと思います。
住宅ローンは「道具」です
住宅ローンは、
怖がりすぎるものでも、
軽く考えていいものでもありません。
金利だけを見るのではなく、
借入額
将来の柔軟性
暮らしの安定
これらをセットで考えることで、
住宅ローンは人生を縛るものではなく、
暮らしを支える道具になります。
この文章を最後まで読んでくださった方とは、
きっと、落ち着いた家づくりの話ができる気がしています。