移住をお考えの方からのリノベの相談
移住をお考えの方から、リノベの相談が少しずつ入るようになりました。相談内容は、
① 安い中古住宅を購入したからリノベの見積をして欲しい
② 程度のいい中古住宅を購入したから、リノベの見積をして欲しい
というものでした。
結論から言うと、安いからいいとか、程度がいいからいいということはありません。
仮に、無料で中古住宅を譲ってもらったとしても、
快適に暮らせるような性能向上リフォームに絶望的な費用がかかる物件もあります。
お客様は程度がいいと思って買われた建物も私たちがチェックすると、
断熱材がほとんど入っていなかったり、
水回りの下が腐っていたり、構造体がシロアリの食害にあっていることがあります。
相談に来られる方が、程度がいいと判断した理由は、
ぱっと見、リフォームで壁紙やトイレなどが新しくきれいになっているからです。
恐らく不動産会社が中古住宅を売りやすくするために、
お化粧直しのリフォームを提案し、売り手側にとっては成功したのです。
これは買い手にはとても厄介です。
お化粧直しリフォーム代金が上乗せになった買い物をして、
住んでみて寒くて暑いからリフォームして欲しいとなると、
お化粧をはがして、断熱材を入れ直すことになるのです。
上乗せになっていたお化粧リフォームが無駄になるので、
結局割高な買い物になりかねません。
内窓をつけるだけのリフォームも効果がないわけではないですが、
この辺りは本気で冷えると−15℃にもなります。
気密が悪く薄い断熱で乗り切るのは大変です。
さらに、夏も35℃超えがやってくるわけですから。
これは実際にあった話しですが、
このお二方は弊社で見積もりをすることもお断りしました。
新築のようにお化粧リノベの施された中古住宅を購入された方は、
住んでみて冬の強烈な寒さに驚いたとおっしゃっていました。
そして、夏はこの暑さです。
せっかくアメックスにお声がけいただいたのに、
お手伝いできなかった方には本当に申し訳ないと思っています。
恐らく、光熱費が高いのに耐えて冷房暖房をしているか、
暑さ寒さを我慢しているに違いありません。
ではお化粧リフォームを勧めた不動産屋が悪いかと言うとそうでもありません。
未だに日本の9割の家はWHOの推奨する冬季全室18℃以上を達成できていません。
お化粧リフォームで済ませるのは、
まだまだ一般的にやられていることなのです。
これを回避するには、中古住宅を購入する前に、
ご相談いただくしかないと思っています。
そのためにはまず、建てた建築会社の情報が欲しいです。
ハウスメーカーも含めて素性である程度判断できます。
出来れば実際に、床下や天井裏を建築屋の目で見させてもらい、
後にかかる費用をざっくり出し、買っていい金額を逆算するべきです。
同時にご自身のライフプランをファイナンシャルプランナーに相談し、
住まいにかけて良い安全な資金を出しておけば完璧です。
これは移住者の方のみにおススメすることではなくて、地元の方も同じことです。
高性能化のリノベはこれから増えると思いますが、どこにリノベを依頼するかの前に、
購入していい物件かどうかの見極めが重要になります。
弊社の2Fにある「あきしょう不動産」は、弊社と業務提携しています。
弊社でリノベをお考えであれば、
内部の検査もしやすく、買ったほうがいい、
やめた方がいい、の提案がしやすいのです。
中古住宅+リノベ費用=住宅購入予算です。
これに住んでからの光熱費と将来の修繕費を加えたものが、
本当の住宅予算になります。
都市部の方から見ると、
このあたりの中古物件の金額が安いと思われる方もいらっしゃると思います。
しかし、後々費用がかかることもあるので、
損をしないためにも本当の住宅予算を考えることをお薦めします。