地震と平屋
新年早々に起きた、令和6年能登半島地震により、
被害に遭われた皆さまへお見舞いを申し上げます。
もし知人、友人の安全が確認出来ているなら、
派手に崩れた建物がどんな建物か、またどんな建物が無傷かを
気にしてテレビの映像を見るようにした方がいいと思います。
とても言葉を選びます。不愉快に思われた方にはお詫び申し上げます。
本題です。
- 平屋は地震に強いのか
- どれぐらい丈夫にするのが良いのか
- お値打ちに地震に強い平屋に住むには
1.平屋は地震に強いのか
建物がベタっと地面にへばりついている平屋は
2階建て、3階建てやビルに比べて、見るからに安定しています。
しかし平屋が地震に強いと過信してはいけません。
能登の地震でも崩れた平屋の映像が映し出されていました。
平屋でも、柱が少なく、窓ばっかりの建物であればつぶれる
可能性があります。
シロアリの食害、腐朽などで傷んだ建物であればつぶれる可能性があります。
平屋かそうでないかが重要ではなく、耐震、制振でもいいので、
地震で壊れない構造になっている必要があります。
2.どれぐらい丈夫にするのが良いのか
最も安心なのは、計算するのにお金がかかりますが、
許容応力度計算を行った耐震等級3の住まいです。
日本の耐震基準は耐震等級1、2、3の3つがありますが、
等級1は震度6強から7の大地震でも1回だけなら壊れても、崩れないという性能です。
耐震等級2は震度6強から7の大地震でも1回だけなら補修程度住み続けられます。
耐震等級3は震度6強から7の大地震でも補修程度で住み続けるという基準です。
中古住宅を購入してリフォームする場合は、
耐震等級3にすることは困難であるということを知っておいた方が良いです。
構造計算書付きの耐震等級3の住まいは、
売却することになったとしても、市場価値があると考えています。
もちろん、頑丈でも断熱が弱くては暮らしにくいので、断熱も大事です。
リンク:暖かい家の注文の仕方
熊本の仲間の工務店に聞くと、今回の能登の地震は広範囲な
液状化が起きていて、熊本の地震と様子が違う。
構造計算をして、耐震等級3の住まいにしたとしても、
地面もろともにひっくり返っているように見えると言っています。
私たちは小さな会社ではありますが、誰か社員を派遣し、
被災者支援と、どんなことが必要になるか見てくるように
します。
3. お値打ちに地震に強い平屋に住むには
平屋も二階建ても同じことですが、窓を大きくすると、
建物が弱くなります。ガラスや窓枠は柱じゃないので建物の重さを
支えにならないからです。
窓を大きくすると、周りを大きな梁、柱で支えることになるので、
コストアップになります。窓も高いですし。
また、梁、柱は木材ですが、断熱材に比べると、
断熱性能が低いので、外断熱を強化するなどさらなるコストアップになります。
まずは、窓のような開口部を小さくすることが大事です。
窓を小さくしても明るく、風通しの良い設計は可能です。
また、子育て世代で平屋を建てるとどうしても大きな平屋に
なってしまうので、平屋の一部を二階建ておすすめです。
もし、平屋か二階建て(3階建てでもいいですけど)で
迷っているのでしたら、一度私に相談してください。平屋と
二階建ての分岐点を簡単にお伝えいたします。